
ちょっぴり身近な自然を気にしてみると、ちょっぴり幸せな気持ちになれるかも?
いつも見ている風景が、毎日違って見えてしまう♪
小さなトキメキを実感する!そんな自然系トピックスを紹介します。
「鳥を見るのは好きだけど、名前まではよく分からない」
「写真は撮るけれど、あとから種類を調べるのがちょっと大変」
そんな経験、ありませんか?
名前を調べようとしても、似たような鳥がたくさん並んでいて、「違いが分からない…」と感じてしまう人も少なくありません。
ですが実は、私たちが普段目にしている鳥の多くは、限られたおなじみメンバーなのです。
街中の公園や住宅街、学校の校庭や河川敷。
こうした身近な場所には、山奥に行かなくても、一年を通して観察できる鳥たちが暮らしています。しかもその多くは、双眼鏡がなくても、難しい知識がなくても見分けられる種類ばかり。
歩きながら少し立ち止まって耳を澄ませてみたり、鳴き声の方向に目を向けてみたり、木の枝や電線の上をちらっと見上げてみるだけで、思っている以上に多くの鳥の姿が目に入ってきます。
「いつもいるけど、名前は知らなかった」
「この鳴き声、実はこの鳥だったんだ」
そんな発見が増えてくると、いつもの散歩道や公園の景色が、少し違って見えてくるはずです。
今日からの散歩が、少し楽しく、少し特別な時間になる。
そんなきっかけになれば嬉しいです。
1. スズメ

見た目・特徴
身近で丸っと愛らしい、日本一フレンドリーな野鳥ですね。
丸っこい体、茶色い背中、黒いほっぺが特徴です。冬は寒さ対策のために、モコモコに丸くなるので、“可愛いスズメ”を見るなら、冬がオススメです。

Photo:KATACHI

Photo:KATACHI
よく見られる場所
公園の広場、歩道、植え込み、住宅街の電線など、ほぼどこにでも見られます。
スズメは数が減っている?

全国的に、スズメが減っている!?と聞いたことがあります

スズメは、“家のすき間”を利用して巣を作る鳥です。
最近の家はすき間が少ないので、巣を作れずに、数が減ったと言われています。
ですが、数が増えたり減ったりする原因は、一つだけではありません。

“自然の仕組みは複雑”ということなのですね
スズメは全国的に数を減らしていますが、東京都内では場所によって様子が異なります。
郊外では緑地が減り、エサを見つけにくくなったことで数が減少しています。
一方、都心ではエサが多いわけではありませんが、天敵が少く、電柱など巣を作れる場所が多いため、結果的に増えていると考えられます。
また、近年の住宅は気密性が高く、隙間が少ないため、新しい住宅地ではスズメが巣を作りにくくなっていることも、減少の一因とされています。
2. ハクセキレイ

見た目・特徴
ペンギンを想像させるような白と黒のモノトーン色です。
尾を上下に「ふりふり」揺らしながら歩く姿が印象的で、飛ぶよりも歩く方が好き。
よく見られる場所
公園の芝生、駐車場、河川敷、歩道を歩いている様子を観察できます。
同じ鳥でも色が違う
ハクセキレイは夏になると、顔や喉の黒がはっきりした夏毛になります。これは繁殖期に相手へ元気さを伝えるためです。
一方で、冬は黒が薄くなり、白っぽい容姿に変わります。目立たず、寒さをしのぎながら安全に過ごすための変化なのです。


3. シジュウカラ

見た目・特徴
胸の黒いストライプ(ネクタイ模様)がチャームポイントです。
「ツツーピーツツーピー」という軽やかな声が特徴的です。
よく見られる場所
公園、住宅街の庭木、道路上に生えている木にとまっていることが多いです。
本当に鳥と会話できるかも
シジュウカラは、いくつかの鳴き声を決まった順番で組み合わせることで、意味のある情報を伝えていることが分かっています。正しい順で鳴けば、仲間に内容が伝わりますが、順番が違うと意味が通じません。
近年の研究では、語順を手がかりに意味を読み取っていることが明らかになってきました。
語順と意味の理解が進めば、いつか人と鳥が会話できる日が来るかもしれませんね。

4. メジロ

見た目・特徴
英語圏では、Japanese White-eyeで通じます。黄緑色の体に、目の周りの白い輪がチャーミングです。好きな食べ物は、ミカン果汁と、ウメやツバキなどの花蜜です。
よく見られる場所
サクラやウメ、ツバキ、サザンカなど、花の多い木によく集まります。
緑がメジロ、茶色がウグイス
「ウグイス=緑色の鳥」と思われがちですが、よく目立つメジロとは対照的に、ウグイスはオリーブ色の落ち着いた色合いをしています。
人目につかない藪の中を好んで暮らしているため、声はよく知られていても、姿を見たことがない人が多い鳥なのです。

眉毛のような模様が可愛いですね🎶

〜ウグイスのイメージはどこから来たの?〜
ウグイスは緑色!とのイメージが強いのは、花札の「梅に鶯」や、鮮やかな緑色をした「うぐいす豆」などが影響しているのかもしれません。絵や名前の中で作られた印象が、いつの間にか本物の姿と結びついてしまったのでしょう。自然をよく観察すると、そんな思い込みに気づくのも楽しいですね。


5. ヒヨドリ

見た目・特徴
灰色の体に、ほっぺのオレンジ色がワンポイントですね。大きめの体で「ピ〜ヨ、ピヨヨ〜!」と大きな声で鳴くため、街中で圧倒的に目立つ鳥です。
よく見られる場所
公園の高木、街路樹、住宅街の庭、ベランダに来ることもあります。
ちょっぴり気になる英語の名前
ヒヨドリの英名に使われている Bulbul(ブルブル) は、もともとペルシャ語で「よくさえずる鳥」を意味する言葉です。
中東やアジアでは、声の美しい小鳥の呼び名として親しまれてきました。鳴き声がにぎやかなヒヨドリの特徴に合うことから、英名として使われるようになったのです。
6. ドバト

見た目・特徴
スズメと並ぶ、知名度No1の野鳥ですね。体色は灰色が基本ですが、白・黒・茶色が混じるなど個体ごとに模様がとても多様です。
よく見られる場所
駅前広場、公園、神社仏閣、ビルの屋上など、人の多い市街地でよく見られます。人に慣れていて、近づいてもあまり逃げません。
ドバトの祖先が伝書鳩
ドバトは野生のカワラバトが人に飼われていた歴史を持つ鳥です。帰巣本能が強く、昔は伝書鳩として活躍していました。今見かける個体は、その子孫なのです。
〜やさしい声で街に溶けこむ鳩〜

身近な野生の鳩のひとつに、キジバトがいます。「デーデーポッポー」という特徴的な鳴き声で知られ、公園や住宅地、里山など、さまざまな環境で暮らしています。警戒心はそれほど強くなく、街中でも自然な姿で生活している鳥です。
7. カルガモ

見た目・特徴
全体的に茶色で、体には細かな模様があり、くちばしの先が黄色いですね。春から初夏にかけて、親ガモがヒナを連れて泳ぐ様子でも親しまれています。
よく見られる場所
川や池、用水路、湖、公園の池など、身近な水辺で一年中見られます。人に慣れていて、都市部の水辺でも普通に暮らしています。
ファッションセンスは雌雄で一緒
カルガモは、オスとメスの見た目がほとんど変わらない、ちょっと珍しいカモです。
多くのカモはオスの羽色が派手ですが、カルガモは雌雄ともに茶色を基調とした姿をしています。そのため、性別を見分けるのは専門家でも難しい野鳥なのです。
この控えめな見た目は、天敵から身を守りやすくする工夫と考えられています。
8. ムクドリ

見た目・特徴
体は灰褐色で、頭はやや黒っぽく、くちばしと脚は黄色が目立ちます。
群れで行動することが多く、にぎやかに鳴き交わしながら、飛び回る姿が印象的な鳥です。
よく見られる場所
住宅地や公園、農地、街路樹など、人の生活圏に近い場所で一年中見られます。
騒がしいのは生まれつき
夕方になると「ねぐら」に集まる習性があり、数百〜数千羽の大きな群れになることもあります。
鳴き声の大きさから、都市部ではニュースで取り上げられることも少なくありません。
駅前など人の多い場所に集まるのは、天敵が近づきにくい安全な場所だと学習している、ムクドリの賢さの表れなのかもしれません。
9. カラス(ハシブトガラス/ハシボソガラス)


左の写真がハシブトガラスです。右の写真がハシボソガラスです。
見た目・特徴
日本でよく見られるカラスには、ハシブトガラスとハシボソガラスがいます。
〜名前の“ハシ”はクチバシの“ハシ”〜
ハシブトガラスは名前の通り、くちばしが太くて力強く、頭も丸くふっくらした印象があります。一方、ハシボソガラスはくちばしが細くまっすぐで、頭はやや平たくスマートな印象があります。
同じ黒いカラスでも、顔つきや体つきに注目すると、見分ける楽しさがぐっと広がります。

よく見られる場所
都市部から郊外、山地まで幅広く分布しています。
ハシブトガラスは街中や森林に多く、ハシボソガラスは河川敷や農地でよく見られます。
カラスは本当に頭がいい
ハシボソガラスに棒を使ってエサを取る課題を与えると、ふだんは道具を使わない個体でも、練習を重ねるうちに上手に扱えるようになります。
個体ごとに工夫しながら学ぶ姿から、カラスの高い考える力と器用さがうかがえますね。
10. コゲラ

見た目・特徴
日本でいちばん小さなキツツキです。
スズメほどの大きさで、茶色と白の細かなしま模様が体に入っています。木の幹に縦にとまり、尾羽で体を支えながらトントンと木をつつく姿が印象的です。
よく見られる場所
平地から山地まで幅広く、身近な公園や雑木林、住宅地の緑地でも見られます。木の多い環境があれば、意外と近くに暮らしています。
エサがいるから、細い枝好き
コゲラは、太い幹よりも細い枝や枯れ枝を好んでつつくことの多い野鳥です。
細い枝の樹皮の下には小さな昆虫や幼虫が多く、コゲラにとっては格好の食事場所です。体が小さいため、太い木を強くたたくよりも、軽い力で効率よく餌を探せる場所を選んでいるのです。
11. ツバメ

見た目・特徴
細長い翼と、先が二つに分かれた長い尾が目印です。空をすいすいと飛び回る姿がとても印象的ですよね。時速14〜50kmほどの速さで飛べることが分かっており、その場に合わせて動きを変えながら、上手に虫を捕まえていると考えられています。
よく見られる場所
春から夏にかけて日本に渡ってきて、駅や商店、住宅の軒下など、人の暮らしのすぐそばで見られます。
生きるための大移動
南中国の熱帯地域で繁殖するツバメについて、季節ごとに暮らす場所を変える「渡り行動」を調べた研究があります。
その結果ツバメたちは、冬になると東南アジアの島々で過ごしていることが示されました。また、行きと帰りで飛ぶルートが異なり、秋は海を避けて遠回りし、春はよりまっすぐな道を選ぶ傾向があります。
さらに、オスとメスで越冬地に違いがあることも分かり、ツバメが季節に合わせて賢く移動している様子が明らかになっています。

ツバメは、どうしてわざわざ国境や海を越えてまで移動するのでしょうか?

季節によって、エサとなる虫の量や気温が大きく変わるためです。
寒い季節に虫が少なくなる地域を避けて、エサが豊富で子育てに適した場所を求めて移動しているんです。

そんな理由があったのですね!
小さな体で長い距離を移動するなんて、本当にすごいですね。
12. チョウゲンボウ

見た目・特徴
黒のシマシマに赤みを帯びた体色をしています。
ネズミや昆虫を主なエサにし、ホバリングで獲物を探します。風をうまく利用して空中に止まる技は、猛きん類の中でもとても器用です。
よく見られる場所
河川敷や草地、農地のほか、都市部でも見られます。ビルや鉄塔、橋の上など高い場所をねぐらや見張り台にして、周囲を見渡す場として利用している様子を観察することもできます。
チョウゲンボウはタカではない⁉︎
ワシやタカの仲間のように見えるチョウゲンボウですが、近年のDNA研究では、タカ類よりもインコやスズメの仲間であることが分かってきました。
意外ですが、声の出し方や脳のつくりに共通点があるとされています。
空を舞う猛きんながら、実はインコに近い親戚だと思うと、見方が少し変わってきますね。
〜タカってカラスより小さい体〜
時折カラスが、タカやハヤブサを追いかける様子を目にすることがあります。
カラスがタカに対して、仲間や巣、エサ場を守るための行動で、危険な相手に「ここには来ないで」と伝えているのです。
複数匹のカラスが、タカを追い回すことで、被害を未然に防ごうとしています。こうした姿から、カラスの賢さや仲間意識の強さがうかがえますね。

まとめ
鳥にはそれぞれ、姿や行動の背景に、その種ならではのストーリーや意外な豆知識があります。
背景を知っていると、ただ見かけるだけだった鳥たちが、ぐっと身近で魅力的な存在に感じられるようになりますね。
とくにメジロやツバメ、カラスなどの身近な鳥は、人間の暮らしのすぐそばで生きてきたため、生活や文化の中に自然と溶け込んでいます。昔話やことわざ、季節の風景に登場するのもその一例です。
鳥を知ることは、自然だけでなく、人と自然が重なり合ってきた時間に目を向けることでもあり、日常の景色を少し豊かにしてくれます。
〜参考文献〜
「日本におけるスズメ個体数の減少要因の解明:近年建てられた住宅地におけるスズメの巣の密度の低さ」(三上 修ら /Bird Research, 2013.)
「Experimental evidence for compositional syntax in bird calls」(Toshitaka N Suzuki et al., /Nature Communications, 2016.)
「Flight kinematics of the barn swallow (Hirundo rustica) over a wide range of speeds in a wind tunnel」(K J Park et al., /Journal of Experimental Biology, 2001.)
「Increase in Tree Sparrows in urban centers of Tokyo and decrease in the suburbs from 1990s to 2010s」(Mutsuyuki Ueta, Osamu K Mikami /Bird Research, 2025.)
「Learned precision tool use in carrion crows」(Felix W Moll et al., /Current Biology, 2025.)
「Mesozoic retroposons reveal parrots as the closest living relatives of passerine birds」(Suhet et al., /Nature Communications, 2011.)
「Migration pattern of a population of Barn Swallows (Hirundo rustica) breeding in East Asian tropical region」(Li Tian et al., /Avian Research, 2024.)
「Wild Birds Use an Ordering Rule to Decode Novel Call Sequences」(Toshitaka N Suzuki et al., /Current Biology, 2017.)


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