
ちょっぴり身近な自然を気にしてみると、ちょっぴり幸せな気持ちになれるかも?
いつも見ている風景が、毎日違って見えてしまう♪
小さなトキメキを実感する!そんな自然系トピックスを紹介します。
河原を歩いていると、大小さまざまな石が目に入ります。
一見どれも同じ「石ころ」に見えますが、よく見ると色や形、手ざわりもそれぞれ違います。

多摩川は、山梨県の山あい(奥多摩)を源流に、都市の間を流れ、東京湾へとそそぐ全長約138kmの川。
その長い流れの中で、様々な場所から運ばれてきた石が、河原に集まっています。
ここでは、
・多摩川で拾える石の種類
・河川敷でできるかんたんな見分け方
・石がどの山や流域から来たのか
を紹介します。
足元に転がっている石から、自然の歴史や成り立ちを紐解いていきましょう。
多摩川の石ころ図鑑
チャート
〜 海の微生物由来のカラーバリエーション豊富な石 〜

レア度
★☆☆☆☆
どんな石
・白・灰色・赤・緑・黒など色が豊富
・とにかくかたい
見分けポイント
・表面はツルツル
・割れると貝がらのような割れ方
何でできているの?
・小さな海の生き物の殻(から)など
石灰岩
〜 昔のサンゴ礁のなごり 〜

レア度:★★★☆☆
見分けポイント
・白〜灰色
・やややわらかい
・さわると手が粉っぽくなる
・貝の化石が入っていることもある
何でできているの?
・サンゴなど
泥岩
〜 細かい泥からできたやわらかめの石 〜

レア度:★★☆☆☆
見分けポイント
・灰色や白は混ざらずに黒一色
・やややわらかい
・ツルツルとザラザラの中間くらいの手ざわり
何でできているの?
・海や湖にたまった泥
砂岩
〜 砂がギュッと固まった石 〜

レア度:★★☆☆☆
見分けポイント
・茶〜灰色
・やややわらかい
・ざらざらした手ざわり
・砂の粒が見える
何でできているの?
・川や海辺の砂
レキ岩
〜 石の中に小石が入っている 〜

レア度:★★☆☆☆
見分けポイント
・茶〜灰色
・やややわらかい
・ざらざらした手ざわり
・丸い小石(5円玉の穴より大きい)が集まってできている
何でできているの?
・川や海辺の小石
ホルンフェルス
〜 マグマの熱で焼かれたカチカチ岩 〜


レア度:★★★☆☆
見分けポイント
・黄土色〜黒色
・とてもかたく、重い
・割ると表面がとがる
何でできているの?
・砂岩や泥岩がマグマの熱で焼かれた岩石
杏仁状玄武岩
〜 海で冷えたマグマの穴に白い石がつまった岩 〜

レア度:★★★★★
見分けポイント
・黒い石に白い丸いつぶが見える
何でできているの?
・地表面で冷えたマグマが、様々な鉱石を取り込んでいる
石英閃緑岩
〜 白黒ごま塩おにぎりみたいな石 〜

レア度:★★★☆☆
見分けポイント
・重い
・白と黒のマダラ模様
・光にかざすとキラキラする
・透明や黒色の粒が砂粒よりも大きい
何でできているの?
・地下深くのマグマが、様々な鉱石を取り込んでいる
閃緑岩
〜 ごま塩みたいだけど、白い透明つぶがあまりない石 〜

レア度:★★★☆☆
どんな石?
白黒まだら。石英閃緑岩よりやや黒っぽいことも。
見分けポイント
・重い
・白と黒のマダラ模様だけど、黒色多め
・光にかざすとキラキラする
・透明や黒色の粒が砂粒よりも大きい
何でできているの?
・地下深くのマグマが、様々な鉱石を取り込んでいる
緑色岩
〜 海の底からやってきた、みどり色の石 〜


レア度:★★★☆☆
見分けポイント
・(水に濡らすと)鮮やかな緑〜暗い深緑色
何でできているの?
・地下深くでできた石に、強い力(熱や圧力:地殻変動)を受けてリメイク
(番外編)石英
〜 光を通す水晶のなかま 〜

レア度:★★★★☆
・石英の主成分は二酸化ケイ素
・結晶が大きく形が見えるものを水晶(クリスタル)、細かく集まり粒が見えないものを玉髄(カルセドニー)と呼ぶ
見分けポイント
・白〜淡いクリーム色
・水で濡らすとテカテカする
・ライトを透過して光る
〜似てるけど違う「鉱物」と「岩石」〜
「鉱物」は、同じ成分と決まった形をもつ“ひとつの材料”です。たとえば“石英”は、石英という1種類の鉱物だけでできています。
一方「岩石」は、その鉱物がいくつか集まってできた“かたまり”です。“花崗岩や閃緑岩”のように、白や黒など、いくつもの鉱物が組み合わさってできています。
つまり、鉱物が集まって岩石になるのです。

拾った石の種類を調べてみよう

Step1:色のちがい
まずは、見つけた石を水で濡らしてみましょう。
乾いていると白っぽく見える石も、本来の色がはっきりします。
黒・緑・赤っぽい色など、石によってずいぶんちがいます。
Step2:太陽にかざしてみる
キラキラ光る粒(黒や透明、白色)はあるか探してみましょう。
光る粒がある石は、岩石を形づくり小さな鉱石が入っています。
Step3:石の中の「つぶ」を見る
石の中に、砂粒や小石の粒はあるか探してみましょう。
・丸い小石がたくさん入っている
・砂が固まったように見える
・細かすぎてつぶが見えない
こうした違いも、石を見分ける大きなヒントになります。
石のふるさとを調べてみよう
石のふるさとを調べるときに役立つのが、産総研(産業技術総合研究所)が公開している「シームレス地質図」です。
「国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 シームレス地質情報研究グループ」https://gbank.gsj.jp/seamless/

地質図を分析してみると、
多摩川の上流域(奥多摩周辺)には、昔の海の地層が集まってできた岩石が広がっていることがわかります。
奥多摩周辺に多い岩石
・チャート
・石灰岩
・緑色岩(変成岩)
はるか昔の海底でできた岩石が、プレートの動きによって押し上げられ、山になったものです。
火山由来の石
・杏仁状玄武岩
多摩川流域の西側、山梨県側には火山があります。代表的なのが富士山ですね。
こうした火山活動によって生まれる岩石のひとつが、玄武岩です。
深い地下でできた岩石
・石英閃緑岩
・閃緑岩
さらに山奥には、地下深くでマグマがゆっくり冷えてできた岩石もあります。
白や黒のつぶつぶが混ざった、ずっしり重たい石で、奥多摩〜丹沢周辺がそのふるさとと考えられています。
河原の石が丸いのはなぜ?


どうして河川敷の石はみんな丸いの

山から海へと川を流れる間に、石同士がぶつかり合うからです
多摩川の上流にあった岩石は、川を流れていくうちに少しずつ削られ、形が変わっていきます。
中流〜下流では、石はだんだん丸くなります。石どうしがぶつかり、角が少しずつけずれていくからです。
そして、かたい石ほど下流まで流れて残りやすいという特徴があります。
とてもかたいチャートやホルンフェルスは下流でも見つかりやすく、やわらかい泥岩はこわれて小さくなりやすい石です。

丸い石ほど、長い川の旅をしてきたかも
まとめ:河川敷は、いわば「地球の博物館」
河原に転がっている石は、ただの石ころではありません。
奥多摩の山で生まれた石、海の底でできた石、火山のマグマから生まれた石。
それぞれが長い時間をかけて川を流れ、多摩川の河原にたどり着いています。
石の色を見たり、つぶつぶを観察したり、丸さをくらべてみるだけでも、
その石がどんな場所から来たのか、どんな旅をしてきたのか想像できます。
何気なく歩いている河原にも、
地球の歴史がぎゅっと詰まっているのです。
次に多摩川を歩くときは、
ぜひ足元の石にも目を向けてみてください。
お気に入りの一石が見つかるかもしれません♪
〜参考文献〜
「観察を楽しむ特徴がわかる岩石図鑑」(西本昌司 /ナツメ社, 2024.)
「技術ノート」(社団法人東京都地質調査業協会/No.38, 2025.11.)
「くらべてわかる岩石」(西本昌司, 中村英史 /山と渓谷社, 2023.)

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