【初心者向け】色・形でわかる“身近なドングリ”5選

ちょっぴり身近な自然を気にしてみると、ちょっぴり幸せな気持ちになれるかも?いつも見ている風景が、毎日違って見えてしまう♪小さなトキメキを実感する!そんな自然系トピックスを紹介します。

皆さんは、ドングリに種類があるということをご存知ですか。
子どもと公園を歩いていると、道ばたにコロコロ転がっているドングリ。実は、ドングリって種類によって 形も色も全然ちがうんです。

図鑑を開かなくても大丈夫です。
ここでご紹介することは、“見たらなんとなくわかるポイント”だけ。

しかも今回紹介する5種類は、ほとんどの街の公園・遊歩道・神社・緑地帯でふつうに拾えるものばかりです。

子どもとお散歩するときに「どんなドングリ、落ちてるかな?」とちょっとワクワクしながら歩ける、そんな内容にしてみました。

シラカシ(白樫)

見た目の特徴

スマートで上品な雰囲気のどんぐりで、どこか“和菓子”を思わせる静かな存在感があります。
木そのものも、ゴツゴツしていないなめらかな幹に、細長くシュッとした葉っぱがついていて、街路樹としてもよく見かけるタイプです。

  • ずんぐりむっくりした形
  • 色は濃いめの茶色
  • 茶色の背景に、黒い縦縞スリットがワンポイント
どこで拾える?

シラカシは、道路沿いに植樹されやすい木です。

歩道沿い・学校の近く・駅周辺でも普通に見られるため、一番「街ナカで拾える率」が高い種類かもしれません。

スダジイ(

見た目の特徴

ドングリの中でも小さめで、つやつやした“小粒タイプ”のかわいさが際立ちます。
帽子がほんのり“バナナ形”なのも、ほかのどんぐりにはないユニークさですね。木そのものはゴツゴツした幹をしていて、葉っぱは光沢のある親指サイズです。

  • 小さめで、つやが強い
  • 色はこげ茶〜黒っぽい
  • 丸みがあり、指でつまむと“つるん”とする
どこで拾える?

スダジイは、神社やお寺、昔からある公園で出会えることが多い木です。

どっしりとした威厳のある姿から、シンボルツリーとして人が集まる場所に植えられることもあります。
都市部や住宅街では生えている場所が限られるので、スダジイを見つけると、ちょっとテンションが上がります。

マテバシイ(馬刀葉椎

見た目の特徴

細長くてスマート。思わず“スタイルいいな…”と言いたくなるのがマテバシイのドングリ。
表面はほんのり粉をまとったように見えることがあり、ツルッとした控えめな上品さがあります。スッキリした樹皮をしていて、葉っぱは子どもの手よりも大きく、存在感があります。

  • 細長く、すらっとした形
  • 色は落ち着いた茶色
  • 表面はツルッとしていて、上品な雰囲気
どこで拾える?

マテバシイは、公園の周りに生えていることの多い樹木です。

どんぐりがたくさん落ちる木なので、「袋いっぱいに拾いたい!」という子にはぴったり。
親子で公園遊びをしていると、意外と身近な場所で出会えるかも。

コナラ(小楢

見た目の特徴

「ドングリ」と聞いて真っ先に思い浮かぶ、まさに定番タイプがコナラ。スダジイやシラカシ、マテバシイとは異なり、コナラは落葉樹なので秋に紅葉し、冬には葉を落として枝だけになります

一方、スダジイ・シラカシ・マテバシイは一年中緑の葉っぱを保つ常緑樹です。季節ごとに姿が変わるコナラを眺めながら、親子で四季の移ろいを感じるのも楽しいポイントです。

  • まるっとした形
  • 明るい茶色〜こげ茶まで色の幅が広い
  • 絵本に出てくるような「ザ・どんぐり」らしい姿
どこで拾える?

コナラは、公園の林や遊歩道沿い、神社やお寺の境内など、比較的広めの緑地にまとまって生えていることが多いです。

住宅街でも、古くからある公園や学校の敷地内に見られることがあります。木の間隔が広く、周囲に日が当たりやすい場所に多いため、落ちているどんぐりを拾いやすいのも特徴です。

クヌギ(

見た目の特徴

大きくてゴツゴツ、帽子がモフモフのインパクト大なクヌギのドングリ。
存在感が抜群で、思わず「わぁ、大きい!」と言いたくなるサイズです。コナラと同じく落葉樹で、秋には紅葉し、冬には葉を落として枝だけになります。

  • 大きめサイズ
  • 帽子(殻斗)がギザギザで目を引く
  • 手に乗せると“どっしり”した重み
どこで拾える?

クヌギもコナラと同様に、公園の林、神社やお寺の境内など、比較的広めの緑地にまとまって生えていることが多いです。

ハイキングが楽しめるほど広い雑木林では、クヌギとコナラが並んで生えていることもよくあります。

〜古代グルメにドングリ登場?〜

縄文時代の日本では、ドングリはとても大切な食べ物でした。縄文の人たちは、ドングリの渋みを丁寧に取り除き、粉にして保存したり調理したりしていたと考えられています。その粉を使い、クッキーや焼き菓子のようにして食べていた、との説があります。

まとめ

「うちの近所には森なんてないし…」という方でも大丈夫です。むしろ、住宅街のほうがどんぐりが拾いやすいこともあります。

子どもが夢中になってしゃがみこんでいる姿を見ると、大人のほうがつい一緒になって探してしまうことも。

ちょっとした“宝探しタイムを楽しんでみませんか?

〜参考文献〜
「Man–Plant Relationships in the Jomon Period and the Emergence of Food Production」(西田正規/『国立民族学博物館研究報告』6巻2号, 1981.)

「Utilization of plant resources … at the Shimo‑yakebe site, Tokyo」(Yuka Sasaki, et al. /Japanese Journal of Historical Botany, 2007.)

「縄文時代におけるドングリ食 ドングリのアク抜き実験データから」(増田孝彦, 黒坪一樹 /『京都府埋蔵文化財情報』第119号, 2012.)

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