
ちょっぴり身近な自然を気にしてみると、ちょっぴり幸せな気持ちになれるかも?
いつも見ている風景が、毎日違って見えてしまう♪
小さなトキメキを実感する!そんな自然系トピックスを紹介します。
出会えたら超ラッキー 公園の砂場を利用する “激レアな◯◯”
初夏から夏にかけて、公園の砂場で遊んでいると、
小さな羽のついた虫が、砂場の周りを飛んでいる様子を見かけることがあります。
「コバエかな?」
「ちょっと気になるな…」
そんなふうに感じたことがある方も多いかもしれません。
最近の夏はとても暑くて、昼間の砂場の砂は、
さわると「熱っ!」となってしまうこともありますよね。
子どもたちも、朝や夕方のすずしい時間に遊ぶことが増えています。
でも実は、そんな砂場の砂を、
「ここがいい場所なんだ♪」と利用している珍しいハチがいます。
いつも私たちが何気なく使っている砂場は、子どもだけでなく、小さな生き物にとっても、大切な居場所になっていることがあるようです。


刺されてしまう心配はないの?

刺される心配はありませんよ
ヤマトスナハキバチは安全なハチ
ヤマトスナハキバチは、見た目はハチですが、スズメバチのように人を襲うことはありません。
むしろ、とても警戒心が強くて、人が近づくと、さっと飛び去ってしまいます。
ハチを手で捕まえない限り、刺されるケースはありません。
しかも飛ぶスピードがとても速く、触ろうと思っても、まず触れないほどです。

そのハチは砂場で何をしているの

巣作りと子育てをしています
砂の中での、ひっそりとした子育て
ヤマトスナハキバチは、
スズメバチやミツバチのように、みんなで一つの巣を作るハチではありません。
一匹ずつ、砂の中に小さな穴を掘り、その奥に卵をひとつだけ産みます。
卵からかえった幼虫が食べるごはんは、お母さんバチが運ぶ昆虫です。
砂場の地下では、そんな子育てが行われています。

ちょっと可愛く見えますね♪
本来、このハチが暮らしていた場所
このハチは、もともと河川の氾濫によって生まれる砂地や砂礫地に暮らしていました。
洪水が起きることで土がかき混ぜられ、植物が一度リセットされ、
柔らかくて巣を作りやすい地面が生まれる——そんな環境です。
ところが私たち人間は、洪水を防ぐことや、暮らしを便利にすることを優先して、
河川敷をコンクリート壁やグラウンドへと変えてきました。
その結果、こうした砂礫質の環境は急激に減少しました。
行き場を失ったハチたちは、最後に残された似た環境として、公園の砂場を利用するようになったのです。
〜公園事情でハチが暮らしづらい場所に〜
ヤマトスナハキバチは、いわば“駆け込み寺”のように、公園の砂場を利用するようになりました。
しかし、その砂場でも、猫のふんを防ぐために砂場を覆うネットがかけられたり、危険なハチだと誤解されて、駆除されてしまうことがあります。
人にとっては安全や管理のための対策でも、
その結果、砂場はハチにとっても使えない場所になってしまうのです。


公園は安全第一!ですが。。。。生き物との付き合い方を考えることは大切です
人にとっての「災害」は、生き物にとっての「更新」
洪水や土砂崩れは、人にとっては確かに恐ろしい自然災害です。
命や財産を守るために、防ぐ努力をしてきたのも当然のことです。
しかし、生き物の視点に立つと、少し違う見え方があります。
洪水は、環境を一度リセットし、新しく作り直すイベントでもありました。
こうした「かく乱」があることで、
強い生き物だけが独占しない、多様な命が入り込める余地が生まれていたのです。

一つの命の消失は、環境の異変のサインでもある
一つの生き物がいなくなるということは、単に絶滅という出来事ではありません。
それは、その生き物が依存していた環境や、他の生き物とのつながりが失われた証拠です。
こうした変化は、やがて人の暮らしとも接点を持ち始めます。
たとえば、河川環境の悪化によって天然ウナギが激減し、「今年はウナギが高いな」と感じるような変化ですね。
自然の中のつながりは非常に複雑で、一つひとつを人間が予測しきることはできません。

だからこそ、生き物の絶滅は「遠い自然の話」ではなく、
人の想定を超えた形で、私たちの生活に影響を及ぼす可能性をはらんでいるのです。
砂場に暮らすあのハチは、環境の変化を映す“身近なサイン”の一つなのです。
生き物は、見えない糸で何重にも結ばれています。
一つの種が消えることは、その糸が一本、確実に切れることでもあります。
抑え込むのではなく、いなすという選択
人という種がこれからも生き続けるために必要なのは、
自然を完全に抑え込むことではなく、上手く付き合うことなのかもしれませんね。
公園の砂場にいるハチも同じです。
単純に駆除するのではなく、
- 営巣の時期は近づかない
- 注意喚起の表示をする
- そっと見守る
そんな関わり方も選べます。
身近な砂場は、「人と自然がどう共存するか」を考える、小さな入口なのです。


まとめ
ヤマトスナハキバチの存在は、
「自然の居場所が、少しずつ減っていること」
「私たちの身近な環境が変わってきていること」
を教えてくれています。
もし砂場でこのハチに出会えたら、それは“超ラッキー”な体験かもしれません。
怖がらず、触らず、そっと見守る。
それだけで、人と生き物は一緒に暮らしていけます。
“子どもたちが遊ぶ砂場は、生き物にとっても、大切な居場所になる”。
そんな視点を持つことが、上手な自然との付き合い方の、小さな一歩になりますよ。
〜参考文献〜
「地中にすむ二種のハナバチ」(岩田久二雄 /朝日新聞社, 1975.)
「Diversity in Tropical Rain Forests and Coral Reefs: High Diversity of Trees and Corals Is Maintained Only in a Nonequilibrium State」(Joseph H. Connell /Science, 1978.)
NPO法人 野生生物調査協会, NPO法人 Envision環境保全事務所. 日本のレッドデータ検索システム.
https://jpnrdb.com/index.html(2026年1月8日閲覧)

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